お客様とお話しさせていただくと、「革って時間が経つと変化していくのがいいですよね」と言われることがあります。まさにエイジングとは、革製品を一定時間放置すると革の色味や持っている性質が変化していくことを指します。

革は、動物の皮膚の構造をそのまま生かしているため、人間の肌と同じように日に焼けたりシワやクセがついたりします。植物の渋み成分であるタンニンで鞣した革は、空気に触れることで酸化し、人の手の脂や汗にも反応し、新品時より革色が濃く変化します。クロム鞣しの革は経年変化でクロムの結びつきが強固になるため、耐熱性が向上します。柔軟性や光沢を持たせるために革に油を施す加脂では、時間が経つと革の繊維内で油が均一になるため、銀面の風合いも均一になるとされています。

革製品は使う人によってクセがつくため、中に入れるものはなるべくぴったりのものを選ぶと良いです。ほとんどの場合水には弱く、靴には靴の、鞄には鞄の手入れ方法や保管方法、手入れオイルなどが存在します。鞄やポケットへの出し入れによる摩擦によって自然に出てくるツヤ感もあり、オイルやスプレーをかけてブラシで磨くと出てくるツヤ感もあります。革のダイヤモンドと称されるコードバンは革が乾きすぎると裂けるように割れてしまうため、手入れは必ずしてあげたほうがいいでしょう。特に使い始めにアニリンカーフクリームを塗るなど手をかけてあげることで、緻密な銀面のツヤがより美しく輝きを持ちます。

このように、手入れの仕方や取り扱い方で変わる風合いの変化や、手に馴染んでいく様子は、まるでその物を自分で育てている感覚です。100個の革製品があれば100通りのエイジングがあるのは、革製品の大きな魅力といえるでしょう。